昼過ぎから開く三宮駅すぐのバーという使い勝手
地下鉄西神・山手線の三宮駅から徒歩約1分。REPOSは明るい時間帯から営業しており、昼下がりにコーヒーで仕事を片づけ、キリのいいところでクラフトビールに切り替える——そんな過ごし方をする常連も少なくない。2階にはテーブル席があり、資料やノートPCを広げてのリモートワークにも向いている。電源や通信環境を使いたいときはスタッフに一声かければ対応してもらえる。
1階カウンターは店主との距離が近く、一人で黙って飲む客もいれば、隣同士で自然に会話が始まることもあるという。飲食だけでなく、たばこの葉や道具だけ買って帰る利用も受け付けているため、ふらっと寄れる気安さがある。個人的には、昼と夜で店内の雰囲気ががらりと変わる点が印象的だった。仕事場にもなり、夜はしっかりバーになるという二面性が、この店の立地と営業時間だからこそ成り立っている。
国内外のクラフトビールと貴醸酒という二本柱
ドリンクメニューの軸になっているのはクラフトビールと日本酒で、どちらも入れ替わりが早い。国内醸造所の限定ロットから海外の珍しい銘柄まで、訪れるたびに顔ぶれが変わるため、通い詰めても飽きにくい構成になっている。苦味の利いたIPAや、フルーティーな香りのホワイトエールなど振れ幅が広く、その日の気分で1杯を決める楽しさがある。瓶や缶のラベルデザインも個性的で、棚を眺める時間が選ぶプロセスの一部として機能している。
日本酒では貴醸酒を常時ラインナップに入れている。仕込み水の代わりに酒を使う特殊な製法で、とろみのある口当たりと強い甘みが際立つ酒だ。「デザート代わりに頼む」という声が目立ち、日本酒にあまり馴染みのない人が入口にしやすい銘柄でもある。季節ごとに純米酒や冷酒・燗酒の提案も替わるため、温度帯の違いで同じ酒の表情が変わる面白さまで試せる。
シャグとパイプを自分の手で仕立てる時間
REPOSは全席で手巻きたばことパイプの喫煙を認めており、シャグやパイプ用品の物販も店内で行っている。フルーツ系やバニラ系のフレーバー付きから、葉本来の香りを前面に出した無着香タイプまで種類が多い。好みの葉を複数ブレンドし、ローラーか手作業で1本ずつ巻き上げる工程そのものが、この店での時間の過ごし方になっている。燃焼速度が異なるペーパーやフィルターも複数揃えてあり、組み合わせ次第で吸い心地が細かく変わる。
パイプたばこは着火から吸い終えるまで30分以上かかるスタイルで、せわしなく吸うものではない。葉を詰め、道具を手入れし、煙の香りをゆっくり追いかける——そうした手間ごと味わう嗜好品だ。初めて手巻きやパイプに触れる人にはスタッフがブレンドの考え方や巻き方を教えてくれるので、経験がなくても問題ない。「教わりながら巻いた最初の1本が妙に美味しかった」と感じる利用者も多いようだ。
同じ嗜好を持つ人が自然に集まる場所
クラフトビール、日本酒、手巻きたばこ、パイプ——いずれも趣味性が高く、好きな人同士が顔を合わせると話が止まらなくなる分野ばかりだ。REPOSではカウンター越しに銘柄の感想やブレンドの配合を交換する場面が日常的に生まれている。店主が話題の橋渡し役になることも多く、一人で来ても孤立しにくい空気がある。お互いの好みを披露し合ううちに、試したことのない葉や酒を知る機会が増えていく。
「じっくり語り合いたい夜にも、ひとりで静かに飲みたい夜にも使える」という声がこの店の性格をよく表している。嗜好品を軸にした交流は無理に盛り上げるものではなく、共通項があるから自然に言葉が出てくる類いのものだ。飲食だけ、買い物だけ、喫煙だけでも立ち寄れる間口の広さが、結果的にさまざまなタイプの常連を生んでいる。


